専門業者が実際に行っている工事内容について、写真や図面を交えながらわかりやすく解説します

カビを知り、住環境を知ること

誰もが「健康に暮らしたい」という思いを持っていますが、この暮らしを害する敵として「カビ」があります。

 

カビについて知り、自分の住んでいる住環境について知ることができれば、カビは怖いものではありません。

 

健康に暮らしをするために「カビ」とどう向きあえばよいのかについてお話していきます。

 

カビによって引き起こされる病気

 

カビは菌類という生き物です。菌類とは「カビ」「キノコ」「酵母」のことをいいます。

 

カビによって引き起こされる病気を「真菌症(しんきんしょう)」といいます。真菌症は、ぜんそくなどのアレルギー疾患や水虫・白癬(はくせん)・澱風(でんぷう)などの感染症を起こします。

 

カビは時間経過とともに繁殖・増殖をするため、しだいに症状が悪化します。カビによる症状を悪化させないためにも、対策を早めにとることが大切です。

 

カビについて知り、抑制する環境をつくる

 

「カビがどのように発生・増殖しているか」を知ることで、「カビが成長しにくい環境をつくる」ことができます。これが、カビによって引き起こされる病気の予防に繋がります。

 

カビの色と種類

カビの胞子や菌糸には色素があります。この色素によりカビの色が決まり、それぞれ違ってきます。カビに見られる黒色や暗色系の色はメラニン系色素です。カビにはさまざまな色があり、「黒色に近いほど人体に悪い影響を与える」と言われています。

 

住宅内に発生するカビは60種類を超すといわれています。代表的なカビを以下にまとめました。

 

 黒色: 「ススカビ(アルタナリア)」 「クロカビ(クラドスポリウム)」
 青緑色・白色: 「アオカビ(ぺニシリウム)」
 白色・黄色・赤色・赤紫色: 「アカカビ(フリザリウム)」
 黄土色: 「コウジカビ(アスペルギルス)
 黄色: 「カワキコウジカビ(ユーロチウム)」

 

住宅で最も目にすることが多いのは、黒色をしたススカビやクロカビです。カビの多くは水分の多い風呂や台所に見られますが、乾燥に強い種類のカビもいます。カワキコウジカビは乾燥に強いため、本などに発生して生きていくことができます。

 

カビは発生前に防止することが大切です。風呂や台所に発生するススカビやクロカビは水垢を栄養とします。風呂場であれば、清掃以外に「入浴後に風呂のタイルに冷たい水を流す」ことも有効です。カビを発生前に防止するため、風呂場などの水垢を取り除き、本棚などに溜まるほこりも定期的に清掃しましょう。

 

目には見えないカビがある

こまめに掃除をすることは大切です。カビが生えてから掃除をしたのでは遅いです。なぜなら、カビは目に見えていない段階から成長し続けているからです。

 

空気の中には胞子があります。胞子は人の目には見えません。それは、カビの胞子が人の目に見えないほど小さいからです。そのため、増殖前の胞子の状態では、カビがそこにあるかどうかはわかりません。増殖してはじめて人の目に見えます。

 

増殖して集落を形成したカビのことを「コロニー」といいます。カビがコロニーを形成すると、人の目に見えるようになります。コロニーを形成しないでいるカビには、「空中に浮かんでいるカビの胞子」や「ホコリに付着しているカビの胞子や菌糸」があります。

 

カビの胞子が空気中にあるときや壁などに付着した段階では、人の目で見ることができません。それは、カビの胞子は直径1ミリの約1/10〜1/100の大きさと小さいからです。

 

・カビ胞子の大きさ比較
 0.1mm以上   カビ菌糸の長さ
 0.01mm-0.1mm カビ胞子
 0.01mm以下   酵母
 0.001mm     細菌

 

カビはある日突然にその場所に色をつけて現れるのではなく、「人の目に見えない状態から生き残るためのプロセスを歩んでいる」のです。定期的な清掃は、目に見えない早い段階でカビを除去できる効果的な方法です。

 

カビの栄養摂取方法

カビが生きるためには、栄養を摂取しなければなりません。
カビの栄養摂取は「カビの外側に付着した汚れを消化し、そのときの養分を栄養として取り入れる」という方法で行っています。

 

住宅において、カビは幅広い場所に生息します。最もカビが発生しやすい場所として、台所や風呂などの水回りがあります。水回りでは、水分のほかに石鹸・垢(あか)・汚れをカビは栄養源としています。また、カビは室内でも繁殖します。室内では「水分」「ホコリ」「ちり」「汚れ」を栄養源としています。

 

カビを抑制する方法として、水回りでは「石鹸・垢・汚れを落として風を通す」こと、室内では「ホコリ・ちり・汚れを落として風を通す」ことがあげられます。これは、カビの栄養を断つという意味があります。
 

カビの生息温度

季節の変わり目にカビは発生しやすくなります。これは、外気と内気の温度差によって結露(けつろ)することが原因です。結露とは「気温差により水滴が生じる」ことで、空気中の水分が壁などに付着した場合、その水分はカビの栄養になります。そこで換気をすると、カビの栄養源である水分を少なくすることができます。

 

住宅で結露しやすい場所は、水回りやサッシュ廻りです。サッシュとは窓の枠のことをいいます。結露が起こりやすい水回りやサッシュ廻りには、必要なもの以外を置かないようにすることが大切です。

 

季節の変わり目には衣替えをします。衣替えのときに、収納や押入れの中に空気を通して掃除をしましょう。この作業により収納の中だけでなく、建物や衣類もカビから保護することができます。

 

押入れや収納などの「狭い空間にたくさんのモノを詰め込みすぎない」、また「必要のないものは捨て、モノを置きすぎない」ことでカビを抑制できます。清掃の効率を上げるために、モノを減らす努力はとても重要なことです。

 

カビは人が心地よく生きる温度である「20〜28℃」で活発に増殖しますが、5℃などの低温や30℃を超す場所でも生息します。冷蔵庫の中に長い間食べ物を入れっぱなしにしているとカビが発生することがあります。

 

ただ、冷凍庫ではカビは発生しません。カビは「0℃以上40℃未満」の場所には生息できるが、「0℃未満40℃以上」の場所になると生息できないからです。

 

カビは雨の多い時期に発生しますが、冬でもカビは発生します。冬の住宅内は「空気が温められて水分も多くなる」ため、カビが快適に過ごす条件が整います。冬でも定期的に換気を行い、湿気をためないことが大切です。カビが「どの時期にどのような場所に生えやすいか」を知ることで、清掃の効率を上げることができます。

 

清掃の効率を上げるために、「部屋のレイアウトを変える」ことも有効です。レイアウトをかえるとき、ベッドや本棚などの大きなものを動かすことで壁を空気に触れさせることができ、裏にたまっているハウスダストを取ることができます。さらには、気分を変えることもできます。

 

カビと湿度の関係

カビが生きるために「湿度」はとても重要な要素です。

 

カビの成長に適した湿度は65%以上です。75%以上では非常に繁殖しやすくなります。住宅内の水回りや窓廻りなどにカビが出やすいのは、「カビは水分を多く含む空気を好む」からです。一方、湿度が55%以下になるとカビの繁殖は遅くなります。室内の湿度を50%以下に抑えることでカビを抑制しましょう。

 

室内の湿度を調整するために重要な対策が換気です。換気とは「室内の汚れた空気と室外の新鮮な空気を入れかえる」ことです。換気を行うことにより、外部との気温差を小さくし、湿度を下げることができます。

 

室内の温度と湿度を確認できるように、温湿度計を設置することも有効です。室内の温度と湿度を日々チェックすることにより、カビの発生しやすい環境を知ることができます。

 

室内に洗濯物を干した時は、部屋の湿度が高くなります。すると、カビが発生しやすくなります。室内に洗濯物を干した後は、普段よりも多めに換気をするという意識が必要です。

 

居室のホコリ

居室のホコリやチリにもカビは含まれています。室内のホコリやチリは「ハウスダスト」といいます。ハウスダストとは、チリ・ホコリ・カビの胞子・ダニの糞・花粉・たばこの煙など家の中にたまるホコリのことを指します。

 

ハウスダストは綿ボコリになったり、エアコンのフィルターについたりします。綿ボコリやエアコンのフィルターを清掃しないと、ハウスダストを吸いこんでしまうことになります。ハウスダストを吸いこみ続けると、アレルギーになる可能性が高まります。

 

カビは湿気の多い水回りだけではなく居室にも存在しています。日々の定期的な掃除と合わせて換気をすることにより、新鮮な空気を取り入れ、目に見えないカビを除去することができます。

 

家の中にあるほこりをそのまま放置しているということは、カビを放置していることと同じです。なので、早めに清掃をすることが大切なのです。

 

清掃で「ダニ」も防ぐ

こまめに清掃をすることにより、ダニの発生も防ぐことができます。ダニはカビと生息環境が似ています。居室内にカビを見つけたら、ダニも生息している可能性が高いということです。

 

ダニは「温度25〜30度、湿度60%以上」で繁殖しやすく、生息しやすい場所はカーペット・畳・布団などです。布団やカーペットは「天気のいい日は外に干し、太陽の光に当てて新鮮な空気に触れさせる」ことでダニを抑制できます。

 

ダニはアレルギー疾患などの原因になるため、早めに除去しましょう。

 

カビを防止する2つのポイント

カビの発生を防ぐには、住んでいる環境を見直すことが大切です。今現在の置かれている状況を理解しない限り、状態は良くすることはできません。

 

カビを抑制するために大きなポイントが2つあります。それは「換気」と「清掃」です。換気には「室内温度と湿度の調整」と「ハウスダストの排出」、清掃には「ハウスダストの除去」の効果があります。

 

カビが発生・成長しないようすることは、健康に暮らすための住環境をつくることにつながります。


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