専門業者が実際に行っている工事内容について、写真や図面を交えながらわかりやすく解説します

シャワールームに浴槽を設置する方法

 

今回は、シャワールームに浴槽を設置する方法についてお話します。シャワールームでの浴槽設置を円滑に行いましょう。

 

工事のポイントは、「浴槽の排水管と床の排水管を接続する」ことです。浴槽には排水管がついているため、浴槽の排水管を床の排水管と繋ぐ必要があります。これにより、浴槽内の水を、直接下水へ流すことができます。

 

浴槽の排水管と床の排水管を繋いでいない状態で浴槽の水を流すと、流れ出た水がシャワールームの床に溜まってしまいます。そこで、排水管同士を繋ぐことによって、シャワールームの床に水が溜まるのを防ぎます。

 

下図は、「浴槽の排水管と床の排水管」の位置関係を表しています。

 

浴槽の設置方法

 

今回の工事では、浴槽と床の排水管はそれぞれの位置が違います。お風呂場の浴槽工事をする場合、通常は床の排水管を浴槽の排水管が出ている位置に合わせます。しかし、今回の工事では、「内装の仕上がっているシャワールームに浴槽を設置する」という条件のため、接続用の排水管を後付けで設置する必要があります。

 

接続用の排水管は30Φを使用するため、浴槽と床の隙間に入りません。「Φ」は配管の大きさを表す記号で、工事の現場では「パイ」や「ファイ」と呼ばれます。30Φの排水管を使用する理由は、浴槽と床の排水管に合うサイズを選ばなければならないからです。

 

接続用の排水管は、浴槽と床の間に設置します。そのため、浴槽に「高さ調整材」を取り付けます。高さ調整材を使用することにより、接続用の排水管を設置することができます。これでようやく、お風呂場の床に水を溜めることなく、流すことができるようになります。

 

届いた浴槽を確認

 

浴槽を発注したあと、商品が届くまでには納期がかかります。浴槽が届いたら、工事の前に梱包を開けて中身を確認します。届いた浴槽を工事前に確認する理由は、「発注した商品と同じ内容の商品が届いているか」を知るためです(下写真)。

 

浴槽の設置方法

浴槽の設置方法

 

 ・浴槽の正面(左写真)
 ・浴槽の裏面(右写真)

 

ごくまれに、業者側のミスなどによって、発注した商品とは内容の違う商品が届いてしまうことがあります。発注内容とは違う商品では、工事をすることができません。このような場合、発注した業者に連絡をとり、正しい商品を再度送ってもらう必要があります。

 

届いた商品を工事前に確認しておくことで、安心して工事を進めることができます。また、実際に目で見て確認をすることにより、「浴槽に傷や汚れなどがついていないか」などのチェックすることができます。

 

浴槽の設置手順

 

ここから、浴槽の設置手順を解説します。

 

1、準備

この工事で使用する道具を、以下にまとめました。

 

 浴槽:シャワールームに設置
 接続用の排水管(30Φ):浴槽から床排水管への接続に使用
 アクリル(5mm):浴槽の高さ調整材
 丸のこ:アクリル板の加工に使用
 ステンレスナット:高さ調整材の固定
 ステンレスワッシャー:高さ調整材の固定
 ステンレスボルト:高さ調整材の固定
 ステンレススプリングワッシャー:高さ調整材の固定
 充電ドライバー:ナットの固定に使用
 ビット:充電ドライバーに装着。ナットの固定に使用
 穴開け用ビット(10mm):充電ドライバーに装着。アクリル板の穴開けに使用
 水平器:浴槽の取付時に使用
 アクリル(1mm):浴槽のガタ付きを押さえるパッキン材
 コーキング:浴槽の固定に使用
 コーキングガン:コーキング作業に必要
 コーキングヘラ:コーキング作業に必要

 マスキングテープ:コーキング作業に必要

 

今回の目的は、シャワールームに浴槽を設置することです。そこで、浴槽を設置する前に壁や床の仕上げ作業を終わらせておきましょう。浴槽を設置してしまうと、壁や床の仕上げ作業ができなくなってしまいます。

2、浴槽の高さ調整

はじめに、浴槽の高さを調整します。接続用の排水管が入る高さまで浴槽を調整します。浴槽と床の隙間が狭いと、接続用の排水管を設置することができません。今回の作業は、浴槽本体に高さ調整材を取り付けるという方法です。調整材を利用することで高さを上げ、浴槽と床の隙間を広くできます。

 

下写真は、高さ調整の手順です。

 

浴槽の設置方法

 

 ・工事前の脚の様子(左写真)
 ・高さ調整材の取付(中写真)
 ・調整材に脚を取付(右写真)
 
高さ調整材は、アクリル板の5mmを使用します。アクリル板の5mmを使う理由は、浴槽の脚がはまる樹脂の厚みが5mmだからです。このアクリル板にステンレスのボルトとナット、ワッシャーを使い取り付けます。ステンレスのボルトは太く強度のある、「M10」サイズを使用します。

 

ここで、注意しなければならない大事なポイントがあります。それは、「納品された商品を加工した瞬間に、メーカー保証はなくなってしまう」ことです。今回の作業では浴槽の加工をしています。この作業により、浴槽から水漏れなどの問題が起こっても、メーカーは保証をしてくれません。
 
必ず、「作業による結果は自己責任」ということを認識した上で、工事を行いましょう。

 

3、排水管の接続

浴槽の高さを調整したら、接続用の排水管を取り付けます。接続用の排水管で、浴槽と床の排水管を繋ぎます。接続用の排水管をきちんと繋がなければ、お風呂場の床に浴槽から流した水が溜まってしまいます。

 

排水用の接続管を取り付ける前に、浴槽の排水位置を床に記します。これは、浴槽や床の排水管の位置を測定することで、取り付けの角度を測るためです(下写真)。

 

浴槽の設置方法

 

 ・接続用の排水管を取付前(左写真)
 ・接続用の排水管を取付した角度を測定(右写真)

 

接続用の排水管の取付角度を測定したら、その測定値を元に実際の取付を行います。

 

浴槽の設置方法

 

 ・接続用の排水管に接着剤を塗布(左写真)
 ・浴槽の排水管にも接着剤を塗布(中写真)
 ・接続用の排水管と浴槽の排水管を接続(右写真)

 

浴槽と接続用の排水管を繋ぐために、コーキングを使います。コーキングを使う理由は、「接着力や耐水性があって、隙間を埋めることができる」からです。厚みを出してコーキングを使うことで、排水管と排水管の隙間を埋め、接着力を出すことができます。

 

コーキングをしたら、接着部分が固まるまで、丸1日おきます。ここまでの作業で、浴槽の高さ調整と排水管の接続が完了しました(下写真)。

 

浴槽の設置方法

 

4、浴槽の設置

接続用の排水管を固定したら、浴槽を設置します(下写真)。ここでのポイントは、接続用の排水管を床の排水管に接続しながら、浴槽を設置することです。この作業は2人で行うことにより、スムーズにできます。

 

浴槽の設置方法

 

 ・浴槽を仮設置(左写真)
 ・パッキンでガタ付きを調整(中写真)
 ・浴槽を固定(右写真)

 

浴槽を設置場所に置いたら、水平器を用いて「浴槽が傾いていないか」を確認します。浴槽を水平に設置しないと、底に水が溜まってしまいます。浴槽の水平を確認しながら、取付する時のガタ付きを無くすために、浴槽の脚の下にパッキンを入れます。中写真の赤矢印が、脚の下に入れているパッキンです。このパッキンは、1ミリの透明アクリル板を使っています。

 

パッキンを入れてガタ付きを無くしたら、再度、浴槽の水平を確認します。ガタ付きが無く、水平が保たれていることを確認したら、浴槽を固定します。浴槽の固定には、コーキングを使います。コーキングは、壁の色に合わせた白色のものを選びました。

 

5、完成

浴槽を設置したら完成です。シャワールームに新たな浴槽ができました。浴槽は大きいため、設置や移動をするときには2人で行うとよいでしょう。2人で作業することで、壁や床などを保護することもできます。浴槽の移動や加工、設置をするときは、周囲に傷つけないように十分注意しましょう。

 

接続用の排水管には、さまざまな種類があります。工事をする現場の条件により、接続用の排水管は最適なものを選ぶことが必要です。現場条件に合う材料を選ぶことで、良い工事をすることができます。

 

浴槽の設置作業は、怪我をしないように注意しましょう。2人で作業をするときは、声を掛け合うことでミスや怪我を防ぐことができます。複数人数で作業をするときは、お互いの安全を意識し合う、「チームワーク」がとても大切です。

 


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