専門業者が実際に行っている工事内容について、写真や図面を交えながらわかりやすく解説します

流し台の排水位置を変える方法

 

流し台の排水位置とは、流し台の底面にある貫通穴のことです。排水位置は、キッチン床から出ている排水管の位置によって決まっています(下図)。

 

流し台の排水位置を変える

 

キッチン床の排水管はズラすことができません。このため、流し台底面の貫通穴をズラすことによって、排水管の接続を行います。キッチン床の排水管と流し台底面の貫通穴が同じ位置にあるときに、排水管は接続することができます。

 

新しい流し台を取り付ける時、底面にある貫通穴とキッチン床から出ている排水管の位置が同じでないことがあります。それは、「それぞれの家庭により床から出ているキッチンの排水管の位置が違う」からです。流し台底面の穴とキッチン床の排水管を同じ位置にしないと、排水管の接続はできません。

 

排水管には、キッチン側の排水管と流し台側の2つの排水管があります。この2つの排水管を接続することにより、流し台で使用した水を下水へと流すことができます。排水管を接続するために、流し台の底面に穴が開いている必要があります。

 

キッチン床から出ている排水管と流し台底面にある貫通穴の位置が合わない場合、流し台底面にある貫通穴の位置を変えることにより、2つの排水管を接続することができます。

 

 

排水位置を変える手順

 

ここからは、排水位置を変える手順について解説します。

 

1、準備

今回の工事で使用する道具を、以下にまとめました。

 

 巻尺(メジャー):排水管位置の測定に使用
 ペンと紙:測定結果をメモ書き
 カッター:流し台底面の開口に使用
 軍手:カッターを使用するときに装着
 充電ドライバー:流し台の固定に使用
 ビス:流し台の固定に使用
 水平器:流し台の固定時、水平・垂直の確認に使用
 排水用ジョイント管:配管の接続に使用
 コーキング:ジョイント管・底板の接着・スキマ埋めに使用
 流し台の底板:白い板を使用
 定規:底板を切るために使用
 両面テープ:底板の接着に使用。コーキングと併用
 ビニールテープ:排水管の接続に使用

 

流し台を設置する前に、古い流し台を撤去しておきましょう(下写真)。

 

流し台の排水位置を変える

 

2、排水位置の測定

はじめに、床から出ている排水管の位置を、巻尺を使って測定します。測定には、「ミリ」の単位を用います。例えば、壁から排水管の中心までの寸法が「1051」であれば、「1051ミリ」ということになります(下図)。

 

流し台の排水位置を変える

 

測定はなるべく正確に行う必要がありますが、測定には測定誤差が出ます。測定誤差とは、「巻尺などを使って測定をするとき、測り方によって測定した寸法に誤差が生じる」ことです。測定誤差は、工事内容により調整方法が異なります。ただ、ここでの排水位置の測定誤差は、「1〜2ミリ」であれば問題ありません。

 

今回の工事では、壁が三方向にあります。図の中央にある円形が、キッチン床の排水管です。壁から排水管までの寸法を測定するときには、ポイントがあります。それは、「壁から排水管の中心までの寸法を測る」ことです。排水管の中心までの寸法を測ることで、より正確な位置を測定することができます。

 

3、流し台底面を開口

排水管の位置を測定したら、流し台の底面に穴を開けます。壁や床などに穴を開けることを、「開口」といいます。流し台底面の開口は、キッチンの床から出ている排水管の測定位置を元にして行います。

 

下写真は、流し台の底面に開口した様子です。

 

流し台の排水位置を変える

 

 ・開口の全体写真(左写真)
 ・Aの拡大写真。床排水管の位置と新しい開口位置が合致(右写真)

 

Aは、今回の作業で新しく開けた開口です。Bは、工場で製作された穴の位置です。Bには、配管を押さえるフタがついていましたが、写真では開口をしてフタを外してある状態です。この作業により、排水位置を変えることができました。

 

4、流し台の設置

底面を開口したら、流し台を設置します。前項(3、流し台底面を開口)では、流し台は仮設置の状態です。仮設置とは、ビスなどで固定せずに、流し台を置いておくことです。仮設置のことを、仮置(かりおき)といいます。ここでは、仮置の流し台を固定します(下写真)。

 

流し台の排水位置を変える

 

 ・流し台の設置前(左写真)
 ・流し台の設置後(右写真)

 

固定ができれば、流し台の設置は完了です。設置するときのポイントは、流し台の平行や垂直を調整しながら、固定する」ことです。固定は、流し台の下にある収納扉を開き、収納の内側から壁に向かってビスで止めます。

 

5、排水用のジョイント管を接続

流し台を設置したら、排水用のジョイント管を接続します。排水用のジョイント管は、床の排水管と流し台の排水管を接続するために使います。ジョイント管を使うことにより、床の排水管に高さを加え、接続部分の密封度を高めることができます。

 

下写真は、ジョイント管の接続順序です。

 

流し台の排水位置を変える

 

 ・ジョイント管の写真(左写真)
 ・ジョイント管の設置前。中央の黒色が接着剤(中写真)
 ・設置完了(右写真)

 

接着にはコーキング材を使用しました。コーキング材は、建物のスキマ埋めなどに使われる材料で、密封効果もあります。コーキングの色は、はみだしても目立たないように、黒色を使用しました。

 

6、プリント合板の取り付け

流し台の排水位置を変える

ジョイント管を接続したら、流し台底面に白い板を張ります(右写真)。

 

今回使用する白い板は、厚さが 2.3ミリのプリント合板です。プリント合板とは、ベニヤ板の片面に仕上げをしているもので、製造しているメーカーにより、カラーや木目調などの色々な仕上げがされています。

 

プリント合板の加工は、カッターと定規を使います。定規は、アルミやステンレスなどの金属製のものを使用するといいでしょう。加工のポイントは、「カッターの刃を新しくしておくこと」です。良く切れるカッターの刃を使うことで、プリント合板をスムーズに切ることができます。

 

プリント合板を流し台の底面に張ることで、B開口を無くすことができ、A開口も小さくすることができました。

 

7、排水管を接続する

流し台の底面にプリント合板を張ったら、排水管を接続します。排水管の接続は、床から出ているジョイント管と流し台の排水管を繋ぎます。プリント合板を張るために、一時的に流し台の排水管は外してあります。

 

下写真は、排水管の接続順序です。

 

流し台の排水位置を変える

 

 ・排水管の接続前(左写真)
 ・流し台の排水管を接続。漏水検査を行う(中写真)
 ・接続部分を密封(右写真)

 

排水管は接続部分を密封させることで、においの逆流を防ぐことができます。密封には、ビニールテープを使います。このビニールテープは、幅の広い50ミリで、色は配管の色に合うグレーを選びました。排水管を密封するために、ジョイント管と流し台排水管の2本をビニールテープで巻きます。

 

ビニールテープを巻くときのコツは、排水管になじませながら巻くことです。特に、流し台の排水管はジャバラ管のため、表面に凹凸があり、スキマができやすいです。その凹凸になじませながら、テープを張ることでスキマを無くし、接続部を密封させることができます。

 

排水管を接続したら、ビニールテープを張る前に漏水検査をしておきましょう。漏水検査とは、排水管を接続した部分から、水漏れがないかを確認することです。排水管から水漏れがないかを確認してから、接続部分を密封しましょう。密封前に漏水検査をする理由は、水漏れが起きたときの再接続をしやすいからです。

 

8、コーキングを打つ

流し台の排水位置を変える

排水管を接続したら、コーキングを打ちます(右写真)。

 

コーキングは排水管と白い板とのスキマを埋めるために打ちます。コーキングの色は、底面の白板に合わせて、白色を選びました。

 

コーキングを打つために、へらを使います。コーキングに使うヘラのことを、コーキングヘラといいます。

 

コーキングヘラは、使う場所によって変えることが大切です。それは、打つ場所によって、スキマの大きさが違うからです。スキマが大きいときは大きいヘラを使い、スキマが小さいときには小さいヘラを使います。打つ場所のスキマの大きさにより、コーキングラを使い分けると、コーキングがきれい仕上がります。

 

9、完成

流し台の排水位置を変える

コーキングを打ち終えたら完成です(右写真)。コーキングにより隙間をなくことで、虫などが外から侵入するのを防ぎます。

 

床から出ている排水管と流し台の排水管を接続することで、流し台で水を使うことができるようになります。この2つの排水管を接続できなければ、水を流すことはできません。

 

排水管は接続部分を密封させることで、ニオイの逆流を防ぐことができます。ニオイの発生は、収納内に溜まる湿気が原因です。収納内に湿気が溜まると、カビが発生しやすくなります。排水管をしっかりと繋ぐことにより、安心して流し台を使うことができます。


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