専門業者が実際に行っている工事内容について、写真や図面を交えながらわかりやすく解説します

キッチンの流し台を交換する方法

 

キッチンの流し台は、水による劣化が起こりやすい場所です。劣化が進むと、メンテナンスでは対処しきれずに、流し台の交換が必要になることもあります。流し台を新しいものに交換することで、収納効率を高めたり、キッチンを清潔に保ったりすることができます。

 

今回の流し台交換をした理由は、水槽部分から水漏れしていたからです。水槽部分とは、流し台の水を受ける部分です。水槽部分にへこみがあり、そこから水が漏れるまで劣化が進んでいました。

 

この流し台は、「木製下地に、ステンレス板を張る」という構造でつくられています。ステンレス製の流し台は水や油に強く耐久性がありますが、強い衝撃を与えてしまうとへこみが残りやすいという特徴があります。交換をする古い流し台は、約40年間使われていました(下写真)。

 

シンク配管位置

 

流し台の発注について

 

流し台の発注のためのポイントが3つあります。それは、

 

 1、横幅の寸法(W寸法)
 2、蛇口の位置
 3、ガス栓の位置

 

を確認することです。

 

1つめのポイントは、「流し台の横幅寸法」の確認についてです。横幅寸法のことをW寸法といい、ワイド寸法とも呼びます。流し台を発注する上で、押さえなければいけない大切な横幅寸法が2つあります。それは、「実寸法」と「有効寸法」の2つです。

 

実寸法は実際の幅のことで、商品に「W1700」や「W1000」などと書かれています。W(ワイド)の単位はミリで表されます。W1700の場合、商品の実寸法は1700ミリということになります。

 

有効寸法とは、空いている隙間の大きさのことです。この隙間のことを、空き寸法といいます。空き寸法があることにより、設置時の調整ができるようになります。実寸法が1700ミリの場合、有効寸法は1710ミリ程度を確保しましょう。実寸法に対して有効寸法が狭いと、用意した流し台が納まらなくなってしまいます。

 

2つめのポイントは、「蛇口の位置」です。蛇口の位置により、流し台の水槽位置は決まります。流し台の水槽位置には、3つのパターンがあります。それは、「左水槽」「中水槽」「右水槽」の3つです。水槽の位置とは、流し台を正面から見たときに、水受けが左のものは左水槽、中央のものは中水槽といいます。

 

3つめのポイントは、「ガス栓の位置」です。キッチンのガス栓位置により、ガス台を置く位置が変わります。W1700サイズの流し台を発注する場合、「右ガス台」か「左ガス台」のどちらかを選ぶ必要があります。横幅の短い流し台には、ガス台の設置スペースが無いタイプもあります。

 

今回取り付けをした新しい流し台は、「W1100・左水槽・ガス台無し」のタイプです(下写真)。

 

シンク配管位置

 

流し台の交換手順

 

ここからは、流し台の交換手順を解説します。

 

1、準備

工事で使用する道具を、以下にまとめます。

 

 バール:解体時、くぎ抜きや板の撤去に使用
 ハンマー:解体時、板の撤去に使用
 ノコギリ:解体時、板の切断に使用
 新しい流し台:サイズや仕様の合うモノを発注
 充電ドライバー:新しい流し台の固定に使用
 ビス:下地までの長さに合うモノを用意
 バケツ&雑巾:漏水検査で使用
 雑巾:完成時の清掃に使用

 

新しい流し台を注文してから到着するまでには、期間がかかります。この注文から到着までの期間のことを、納期といいます。商品の納期については、工事前に発注をした会社へ確認をしましょう。納期を知ることにより、工事の日程を事前に決めることができます。

 

古い流し台の解体をしてから、新しい流し台の設置をするまでの期間が空いてしまうと、流し台が使えなくなり、生活に支障が出てしまいます。工事の日程を事前に決め、解体から取り付けまでを1日で終わらせることで、生活に支障を出さなくて済みます。

 

2、古い流し台の解体

はじめに、古い流し台を解体します。

 

古い流し台は、木製下地にステンレス板が取り付けられています。木製下地はキッチンの壁にクギで取り付けられていました。このクギを抜くために、バールとハンマーを使います。バールとは、解体やクギ抜きなどに多く使われる道具です。バールはハンマーと合わせて使ことにより、作業がしやすくなります(下写真)。

 

シンク交換

 

 ・バールとハンマーを使い、仕上げのステンレス板を外す(左写真)
 ・バールとハンマーを使い、木板をはがす(中写真)
 ・ノコギリを使い、骨組みをカットする(右写真)
 
解体を終えたら、クギなどの取り忘れがないか確認をしましょう。クギが出ていると、新しい流し台が傷ついたり、納まらなかったりすることがあるからです。

 

3、新しい流し台の設置

シンク交換

解体の次は、新しい流し台を設置します(右写真)。新しい流し台の横幅はW1100です。W1100の流し台を納めるための有効寸法は、13ミリ広い「W1113」でした。

 

新しい流し台を置いたら、充電ドライバーとビスを使って固定をします。流し台の固定は、水平や垂直を確認しながら行います。ビスを打つときに、その振動や反動で流し台が設置位置からずれることがあるからです。

 

流し台の固定方法ですが、収納扉を開いて収納の内側から壁に向かい、充電ドライバーでビスを打ちます。流し台を置く前に、壁側の下地の位置を確認しておくことで、しっかりとした固定ができるようになります。ビスを下地に打たなければ、ガタつきなどの原因となります。ビスは下地に固定しましょう。

 

新しい流し台は、古い流し台と同じ高さの85cmを選びました。流し台の高さは、自分の身長に合った高さに変えることで、調理をしやすくすることができます。流し台の高さを変えるときは、水道管やガス栓の位置など、周辺に接続されているものに注意することが大切です。

 

4、排水管の接続

シンク配管位置

流し台がしっかり固定できたら、排水管を接続しましょう(右写真)。流し台の接続は道具を使わずに手作業で行うことができます。

 

流し台の排水管は、ジャバラ管(右写真で赤丸で囲っている管)になっているものがほとんどです。ジャバラ管は手作業で自由に曲げることができるので、「排水位置の調整が簡単に行うことができる」という特徴があります。

 

排水管を接続したら水を流して、「水漏れしないか?」の確認をします。水漏れの確認をすることを「漏水検査(ろうすいけんさ)」といいます。漏水検査をすることで、現場接続をした部分のほかに、工場接続されてきた配管部分からの水漏れを確認することができます。

 

漏水検査では、水道の蛇口を開いて水を流します。蛇口から出す水の量は、全開の8〜9割程度を目安にして多めに流しましょう。15〜20秒ほど流して、水漏れがなければ検査は完了です。この検査で水漏れを確認したときは、一度水を止め、接続部分を締め直してから再度水を流して検査をしてみましょう。

 

5、コーキングを打つ

漏水検査で水漏れがないことを確認したら、コーキングを打ちます。

 

コーキングは、主に建物の防水や止水を目的として、屋外や水廻りなどに使われる材料です。流し台の周囲にコーキングを打つことで、設置時に発生する壁との隙間に水が入ることを防ぎます(下写真)。

 

シンク交換 

 

 ・流し台と壁にコーキング用の青色のテープを貼る(左写真)
 ・コーキング完了(右写真)

 

6、完成

シンク配管位置

コーキングを打ち終えたら、完成です(右写真)。写真の左側にはガス台がありますが、今回はガス台部分を交換していません。工事費を安く抑えるために、短いタイプの流し台を選んだからです。

 

流し台の収納内にモノを入れる前に、中を拭いておくとよいでしょう。目には見えにくいのですが、配送されるまでの間についたホコリや作業の中で出たホコリを使用前に取り除いておくことができます。

 

流し台を交換することにより、水廻りの収納力を上げ、清潔を保つことができます。ただ、流し台は高価なため、汚れたからといって簡単に交換をすることはできません。流し台は水による劣化が起きやすい場所ですが、しっかりとメンテナンスをしながら使うことにより、長持ちさせることができます。

 


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