専門業者が実際に行っている工事内容について、写真や図面を交えながらわかりやすく解説します

トイレタンクから便器へ水が流れる構造

 

トイレタンクはメンテナンスが頻繁に発生する場所です。ホームセンターなどに行くと、それぞれのトイレ用のメンテナンスパーツが置かれています。しかし、問題が起きた時にいざ交換をしようとしても、「何をしたらよいかがわからないため、業者に頼んでしまった」という経験をした人は数多くいます。

 

ここでは、トイレタンクから便器へ水が流れる構造について説明します。この仕組みを知ることで、水漏れなどが起きたときに原因を見つけやすくなります。

 

右下の図は、便器に水を流すための給水から排水までの全体の様子を表しています。給水とは水の入口、排水とは水の出口のことです。「水がどこから入って、どのように流れるかを知る」ことで、トイレのメンテナンスを自分で行えるようになります。

トイレ

 

トイレタンクの水が流れる順序を、以下にまとめました。記載している番号と流れは、右図の位置での動きを表しています。

 

 @ 止水栓から入り、給水管へ流れる
 A 給水管からボールタップへ流れる
 B ボールタップから手洗いへ流れる
 C 手洗いからトイレタンクへ流れる
 D トイレタンクから便器へ流れる
 E 便器から排水口へ出る
 
 

 

トイレタンクの給水から排水までの流れ

 

ここからは、トイレタンクの給水から排水までの流れについて解説します。

 

1、止水栓から入り、給水管へ水が流れる

はじめに、水は止水栓から流れてきます。止水栓とは、「水を止める栓」のことです。止水栓の機能は、蛇口と同じです。蛇口を開けば水が出てくるように、止水栓を開くことで水が流れてきます。トイレに水を流すために、止水栓が開いているかの確認をします(左写真)。

 

トイレ

トイレ

 

止水栓を開いたら、給水管へと水が流れます。給水管とは、「止水栓からトイレタンクへと水を流すためのパイプ」のことです。給水管には、フレキ管が多く使われます。フレキ管の特徴は、「手でパイプを曲げることができる」ことです。止水栓からトイレタンクへの給水にフレキ管を使うことで、工事が楽になります。

 

2、給水管からボールタップへ水が流れる

給水管から流れてきた水は、トイレタンクの中へと入ります。この水を受けるところを「ボールタップ」といます。ボールタップは、「タンクの水量を調整する」という部材です。「タンク内の水が減ったとき、給水管から水を入れて一定の水量を保つ」ことがボールタップの役割です(右下図)。

 

トイレ

トイレ

 

ボールタップは、タンクの浮きと連動をすることで正常に機能します。ボールタップが動くことで、トイレタンクに水を溜め、便器へ流すことができます。

 

ここで、トイレタンクの水が流れる仕組みと溜まる仕組みについて簡単に説明します。トイレタンクの水を流すとき、はじめにレバーを引きます。このとき、タンク内のチェーンが上に引っ張られてフロートバルブ(下図参照)が開きます。

 

フロートバルブとは、「便器へと流れるタンク内の水を止めている栓」のことです。ここが開くと、タンクから便器に水が流れます。タンクの水が流れると、水量が減って浮きが下がります。これにより、ボールタップの栓が開いてタンク内に水が溜まっていきます。これが、トイレタンクに水が流れて溜まる仕組みです。

 

タンク内の水はボールタップと浮きの動作によって一定に保たれますが、壊れることがあります。ここ動かなくなると、レバーを引いても水が流れなかったり、タンク内の水量が上がることがあります。このときに、タンクの外へと水を漏らさないための部品が、オーバーフロー管です(下図参照)。

 

トイレ

 

3、ボールタップから手洗いへ水が流れる

タンク内のボールタップに流れてきた水は、手洗いに進んでいきます。前項で話したように、ボールタップから手洗いへと水が流れるのは、タンクの水量が減って、浮きが下がったときです。ボールタップから手洗いへは、専用の給水管(左写真赤丸)を使って繋ぎます。

 

トイレ

トイレ

 

トイレタンクには、手洗いのあるタイプと手洗いのないタイプがあります。ここでは、手洗いのあるタイプの説明をしています。手洗いのないタイプでは、ボールタップからトイレタンクへと直接水が流れるようになります。

 

4、手洗いからトイレタンクへ水が流れる

手洗いに流れてきた水は、トイレタンクへと注がれます。トイレの手洗いはタンクのフタに付いています。手洗いからタンクの中へ流れるときに、フタの上で手を洗うことができます(左写真)。

 

トイレ

トイレ

 

手洗いがついていると、手がきれいにできるので便利ですが、デメリットもあります。それは、周囲が汚れやすくなることです。手を洗ったときに周りに水が飛び散ると、壁にシミができる原因になります。また、清掃を怠るとフタの裏側にカビが生えやすくなります。手洗いの周囲をこまめに掃除すると、汚れを防ぐことができます。

 

5、トイレタンクから便器へ水が流れる

トイレタンクについているレバーを引くと、溜まっている水が便器へと流れます。左下写真の赤丸部分が、トイレタンクと便器の接続部です。タンク内の水はここを通って、便器へと流れます。

 

トイレ

トイレ

 

便器の水を流す方法はレバー式のほかに、スイッチ式やセンサー式のものがあります。スイッチ式のタンクはボタンを押すことで水が流れ、センサー式のタンクは人がいなくなると自動で流れます。水を流す方法はそれぞれ異なりますが、フロートバルブが開くことで水が流れるという仕組みはすべて同じです。

 

6、便器から排水口へと水が出る

便器に流れてきた水は、最後に排水口へと流れます。洋式の便器には、排水口と便器を繋ぐ「接続用の配管」があります(左写真)。

 

トイレ

トイレ

 

この配管は、メーカーや型番などによって大きさやカタチが異なります。便器を購入したときに一緒に送られてくるので、取り付ける際は便器に合った接続用の配管を使います。この配管と排水口の取付は接着剤を使いますが、ここに隙間ができると、水漏れやニオイの逆流の原因となります。

 

タンクについている部品には、それぞれに役割があります。見ても分かりにくいタンクの部品でも、一連の流れで考えることによって理解を深められます。メンテナンスをするときは、問題を早めに解決してトイレを快適に使いましょう。

 


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