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“水廻りのにおい”について

 

わたしたち人間が生活を営む以上、「水」はなくてはならないものです。「人間のカラダの70%は水でできている」といわれるほど、わたしたち人間のカラダにとって水はとても重要なものです。住宅や建物などでは、この水を使用するキッチン以外の部屋のことを「サニタリー」と呼びます。

 

キッチンやサニタリーなどの水廻りは「におい」が発生しやすい場所でもあります。ここでは、その水回りに発生するにおいの原因と対策について解説します。

 

水廻りに発生しやすいにおい

 

住宅の水廻りに発生する“におい”には3種類あります。

 

 ・「油汚れのにおい」
 ・「カビのにおい」
 ・「下水のにおい」

 

これらが、キッチンやサニタリーなどの住宅内に起こる「においの種類」です。ここから先は、それぞれのにおいについて見ていきます。

 

油汚れのにおい

油汚れの原因と換気の重要性

油のにおいは、天井や壁・換気扇などから発生します。油汚れは、住宅の汚れの中でも代表的な汚れの1つです。毎日の掃除を怠っていると、においがしてきたり、虫がきたりします。この「油汚れ」によるにおいを最小限に抑えるためには、「換気」が大切になります。

 

換気とは「空気の流れをつくること」であり、空気の流れには「入口と出口」があります。室内の換気において、室内に入ってくる空気の入口を「吸気口」、室内から出る空気の出口を「排気口」といいます。

 

天井や壁などに付く油汚れは、料理をしたときに使う油が空気にまじり、その空気が天井や壁などに付着することが原因です。このとき、「料理の際に出た空気を室外へ排出するための設備」を換気扇といいます。換気が悪いと天井や壁に油が付着する原因になり、それがにおいの元になります。

 

油汚れを防ぐためには、日々のこまめな清掃も大切ですが、「しっかりとした空気の流れをつくること」がポイントとなります。

 

効率の良い換気は油汚れを最小限に抑える

換気とは空気の流れであり、前述の通り空気の流れには入口と出口があります。空気の出口にある設備が「換気扇」であり、空気の入口となるのが「窓」です。換気扇をつけた時、部屋のどこの窓を開けるかによって、空気の流れが変わります。

 

窓からの吸気と換気扇での排気は、それぞれ「自然吸気」「機械排気」といい、これを「第3種換気」といい、この2つを合わせて「第3種換気」が選択されています。要は、「換気扇から出ていく分の空気を窓から取り入れる」という方法ということです。

 

換気のポイントは「一方向の空気の流れをつくる」ことです。たくさんの窓を開ければいいというものではありません。

 

カビのにおい

カビの発生場所と原因

カビのにおいはシンク内から発生することが多いです。現代社会で水を使用する場合、給湯器によって温められて水がお湯になります。このお湯の温度は約40℃です。このお湯が、排水溝からシンク内の排水管を通るときに「結露」が起こります。結露とは、温かいお湯が冷たい排水管を通る時など、「温度差」により発生する現象です。

 

シンク内の空気は冷たいので、冷たい空気が温められた排水管に触れたときに結露が起こります。結露を生じると、カビが発生します。これは特に冬場の寒い時期に多くみられる現象です。

 

シンク内のカビ発生を防ぐ方法

この結露を防ぐ方法があります。それは排水管に「断熱材」を巻くことです。断熱材には「発泡スチロール」や「ウレタンシート」などが適しています。これが、カビのにおいを防ぐ方法です。

 

下水のにおい

下水のにおいを防ぐ「排水トラップ」の仕組み

3つのにおいの中でも、最も刺激臭のあるにおいが「下水のにおい」です。生活で使用した汚水を流した時、その流した水は排水溝から出て、排水管を通り公共の下水道や浄化槽へたどり着きます。

 

下水には悪臭ガスが充満しています。この悪臭ガスが建物や住居内に逆流するのを防ぐための設備を「排水トラップ」と呼びます。排水トラップに一定量の水が溜まることにより、においの逆流を防いでいます。

 

下水から排水溝までは1本の排水管でつながっているのに、通常は下水のにおいがしないのは排水トラップがあるからなのです。排水トラップの構造のことを「封水(ふうすい)」や「水封(すいふう)」といいます。

 

封水とは、「下水からのにおいを、水で封じる(とじる)」ということです。下水からのにおいの逆流を水で防いでくれているのです。排水トラップは「下水の悪臭を逆流させないための設備」です。

 

排水トラップの種類

住宅で使用される排水トラップには2つのカタチがあります。

 

1つは「管トラップ」といい、シンクや洗面台などに使用されます。配管の形がS型やP型をしているため、「Sトラップ」や「Pトラップ」といいます。もう1つは「椀型トラップ」といい、トイレの便器や浴槽に使われている「一体型」をしたカタチをしています。

 

これらの排水トラップは素材やカタチが違うものの、においを逆流させないための機能は同じです。

 

排水トラップに起こる問題

排水トラップには逆流を防ぐための水溜まりがあります。ただ、この水溜まりがなくなってしまう時があります。水溜まりがなくなることを、「破封(はふう)」といいます。破封があった場合、排水トラップが機能しなくなり、下水のにおいを感じるようになります。

 

戸建て住宅では、破封はほとんど起きません。マンションなどで複数の排水管が接続されていたり、排水管に複数の機器が設置されたりしている場合などで破封が発生しやすいです。

 

破封は「吸出し作用」や「誘導サイホン現象」といいます。「サイホン」は「サイフォン」とも言われますが、意味は同じです。吸出し作用とは、「排水トラップに溜まっている水が下水方向に引っ張られるため、トラップに溜まっていた水がなくなる」ことをいいます。

 

本来であれば、排水トラップににおいの逆流を防いでくれる水があります。その水がないために下水のにおいが逆流し、室内ににおいが発生するということになります。下水のにおいがする場合、はじめに行わなければいけないことは「排水トラップに水を溜めること」です。排水トラップに水があれば、下水のにおいはしなくなります。

 

しかし、これはあくまで目先の対策にすぎず、自宅の配管だけを直しても解決にはなりません。同じ現象が何度も発生してしまう場合は管理会社などに相談し、不具合がないか調査をしてもらう必要があります。

 

破封の起こる原因

破封とは、排水トラップの水が下水方向へ引っ張られてしまうことをいいます。これを理解するためには、排水管内部にある「圧力」に目を向ける必要があります。圧力には、「正圧」と「負圧」があります。圧力は大気圧をゼロの基準とし、「正圧は大気圧より高く、負圧は大気圧より低い」ことです。

 

排水管内には圧力がかかっていますが、その圧力が負圧になった時、下水方向へ引っ張られることになります。排水管内の圧力が負圧になってしまうことが、下水方向へ排水トラップの水が流れる原因です。

 

また、一時的に負圧になることを「サクション」といいます。これは、限られた排水管の中に大量の水が流れ込んだときに起こる現象です。お風呂の水を排水したとき、最後にゴボッゴボッと音がします。これが、「サクション」という現象であり、お風呂やトイレでも起こります。

 

 


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